IBAD-MgO膜の表面ラフニング

Surface Roughening of IBAD-MgO Films


宮田 成紀, 衣斐 顕, 畠山 英之, 山田 穣, 塩原 融 (SRL); 加藤 丈晴, 平山 司 (JFCC)
miyata*istec.or.jp


Abstract:IBAD法を用いて得られる二軸配向MgO膜の表面形状をTEM及びAFMを用いて観察し、その時間発展についての議論を行った。
膜厚とともに1μm以上に亘って単調に配向度が向上しつづけるIBAD-GZO膜とは異なり、IBAD-MgO膜の配向性(Δφ)は、一般的に極小値をとったあと増加に転ずるような非単調な進展を示し、十分な厚膜試料においては二軸配向構造そのものが消失する。そのような厚膜試料(~100nm)を断面TEM観察により解析したところ、あきらかにMgO表面に大きなうねりが生じ、表面のラフニングが起こっていることが確認された。
そこで、AFM観察を用いて表面形状の時間発展を追跡し、自己アファイン性を基礎にしたスケーリングモデルを用いることによってラフニングの空間変調及び時間発展に関する議論を行ったので報告する。