磁性メソポーラスカーボンを用いた難分解性溶存有機物の高勾配磁気分離除去

High gradient magnetic separation of dissolved organic matters by magnetic mesoporus activated carbon


三浦 大介, 土居 亮子, 伊藤 大佐 (首都大)
osuke*eei.metro-u.ac.jp


Abstract:近年、河川や湖沼及び内湾の水質汚染原因の一つとして難分解性溶存有機物が注目されている。その代表としてフミン質がある。これらは安定なため長期にわたって水中に存在し、また水質処理過程において行われる塩素処理により発がん性物質であるトリハロメタンを形成することがわかっている。現在フミン質の除去法としてオゾン処理法と活性炭による高度浄水処理法がある。しかしながらその除去率は60%にとどまり、またオゾン処理はエネルギー消費が大きく、また破過を迎えた活性炭のスラッジ処理が問題となっている。そこで申請者らは数年前から活性炭で直接的にフミン酸等の高分子を吸着可能なメソ孔(20〜30 nm)を有するメソポーラスカーボンの作成方法を研究してきた。さらに高効率化のため吸着した活性炭を磁気分離で回収させるべく磁性を付与した磁性メソポーラスカーボン(MMPC)を作製した。今回は粉末状MMPCを用いてフミン酸の吸着、高勾配磁気分離実験を行った。試薬のフミン酸200ppmに対して2倍の量の400ppmのMMPCを投入、10分間の攪拌吸着で除去率90%以上の実験結果を得た。また除去効率をさらに上げるための賦活熱処理の最適化、及び強い磁性をもつメソポーラスカーボンの作製を検討した。