ボックス回転型低温6元対向スパッタによるNb/AlOx-Al/Nb接合の作製

Characteristics of Nb/AlOx-Al/Nb Josephson Junctions fabricated by a newly rotating box type multi-facing target sputtering


諸橋 信一, 波多野 雅也, 河野 佑介, 礒部 尚紀, 永田 省吾 (山口大)
smoro*yamaguchi-u.ac.jp


Abstract:高機能・高性能な電磁波検出器用超伝導トンネル接合(STJ素子)を作製するために,新型のボックス回転型多元対向スパッタ(BFTS)を新たに開発した。その特徴は,磁石の高機能な配置による(a)マルチターゲット化,(b)高プラズマ密度化,(c)基板にγ電子や反跳アルゴンが入りにくい低温スパッタ,(c)コンパクト化・省エネ化,である。グローブボックス付試料交換室+トンネルバリア形成室+スパッタ室の3室構成になって,スパッタ室は対向する6角柱のカソードにより計6層の薄膜作製が可能である。作製したNb薄膜は,超伝導転移温度Tcが 約9.3 K,残留抵抗比は4.5で,このときの基板温度は50℃以下を示した。不純ガスの取り込みの小さな高品質なNb薄膜が低温で作製できていることを示している。この条件でNb/AlOx-Al/Nb接合を作製し,4.2 Kでリーク電流が非常に小さな高品質な特性を示す素子が得られた。Nb下部電極薄膜の表面荒さとの関係で素子特性について調べた。