ITER中心ソレノイド用導体サンプルの接続部内の電流分布解析

Analysis of current distribution in joint of conductor sample for ITER Central Solenoid


長谷 隆司, 清水 辰也, 辺見 努, 松井 邦浩, 小泉 徳潔, 高橋 良和, 奥野 清 (原子力機構)
hase.takashi*jaea.go.jp


Abstract:国際熱核融合実験炉(ITER)に用いられる40kA@13Tの大容量Nb3Sn導体の超伝導性能評価試験は、二種類の導体を無酸素銅を介して接続したサンプルを用いて行われる。この試験では、その接続部が外部磁場発生用の超伝導マグネットのボアの近くに配置されるため、11Tの外部磁場発生時に、接続部が0.29-8.4 Tの広範囲の外部磁場にさらされる。そのため、接続部の無酸素銅の磁気抵抗効果により、大きな電流分布が発生し、導体の正確な評価に支障をきたす可能性がある。その確認と、接続部内の電流分布均一化を目的として、中心ソレノイド(CS)コイル用Nb3Sn導体を接続する部分を流れる電流の分布を有限要素法により解析した。その結果、残留抵抗比(RRR)が100の無酸素銅を用いた従来の接続構造では、全体の接続抵抗は低くなるものの、異なる位置における最大電流密度と最小電流密度の比が1.65と大きくなり、電流が接続部内で大幅に不均一化することが確認された。これに対し、接続部にRRR=4の銅板を挟んで接続した場合には、全体の接続抵抗値を2 nΩ以下の許容範囲にとどめながら、最大電流密度と最小電流密度の比を1.23に低減できることがわかった。