DyBCOコート線材の臨界電流密度に与える重イオン照射の影響

Effect of heavy ion irradiation on the critical current properties of DyBCO coated conductor


水間 祐貴, 磯部 現, 木内 勝, 小田部 荘司, 松下 照男 (九工大); 岡安 悟 (原子力機構); PRUSSEIT Werner (THEVA)
mizuma*aquarius10.cse.kyutech.ac.jp


Abstract: REBaCuO超伝導体は高温・高磁界中で優れた臨界電流密度Jcを持つことにより磁界中での応用に期待がされている。
そのためより一層のJcの向上が求められており、人工ピンの導入が試みられている。今まで、Jcの向上に有効な欠陥の条件については定量的な議論が行われていない。
本研究ではDyBCOコート線材に異なる条件で重イオン照射を行なって円柱状欠陥を導入し、欠陥のサイズや数密度がJcに与える影響を定量的に調べた。
試料はTHEVAにより作製された、中間層としてISD法によって堆積したMgO層の上に共蒸着法によって厚さ1.5 μmのDyBCO層を堆積させたDyBCOコート線材である。照射はテープ面に対して垂直の方向からAuまたはNiイオンを条件を変えて行った。
測定にはSQUID磁力計を使用して、テープ面に垂直に磁界を印加し、直流磁化と磁化緩和の測定からJc、電界-電流密度特性およびn値を評価した。