工学材料回折装置「匠」および実用超伝導コンポジットへの応力・ひずみの影響

Engineering Materials Diffractometer "TAKUMI" and Stress/Strain Effects on Industrial Superconducting Composites


HARJO Stefanus, 相澤 一也, 伊藤 崇芳, 新井 正敏 (原子力機構); 長村 光造 (応用科学研); 町屋 修太郎 (大同工業大学); 土屋 佳則 (NIMS ); 辺見 努 (原子力機構); 淡路 智, 小黒 英俊 (東北大); 鈴木 裕士 (原子力機構)
harjo.stefanus*jaea.go.jp


Abstract:日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速研究機構は共同で,物質科学,生命科学,原子核・素粒子物理および原子力科学の推進を目指して,大強度陽子加速器計画(J-PARC:Japan Proton Accelerator Research Complex)を2001年より進めてきた.J-PARCでは工学応用を目的とした飛行時間型中性子回折装置(工学材料回折装置「匠」)の建設が進んでおり,2008年9月より装置最適化は開始し,同年12月より供用開始した.高強度かつ高分解能の本装置の実現によって,材料科学および工学においてより多くの斬新的なチャレンジを可能にする.また,飛行時間型回折法を採用することによって複数のhkl反射を同時に得ることができるため,さらなる応用が期待される.我々は,本装置を用いた最初の成果を出すために,実用超伝導コンポジットへの応力・ひずみの影響に関するプロジェクト研究を立ち上げて,Nb3Sn,BSCCO,YBCOの変形中のその場測定やITERのCSコイル内のひずみ予備測定を行なった.本講演では,匠の性能を表すパラメータおよび応用の可能性,装置の状況やいくつかの超伝導材料の実験結果例を紹介し,ご意見・討論をお願いしたい.