TFA-MOD法YBCOテープ線材を用いた電流リードの開発 ③  (500 A級電流リードユニットの作製とその特性)  

Development of current leads prepared by the TFA-MOD processed YBCO tapes③    (500 A-class current leads unit and their properties)


塩原 敬, 堺 智, 石井 雄一, 山田 豊, 太刀川 恭治 (東海大); 小泉 勉, 青木 裕治, 長谷川 隆代 (昭和電線)
8aazm017*mail.tokai-u.jp


Abstract:TFA-MOD法により新たに作製したYBCOテープ線材を用いた超電導電流リードを試作した。液体窒素中、自己磁場下(@77 K、 s .f .)において約170 Aの臨界電流値を有するテープ線材(幅:5 mm) 5本をGFRP板で補強し、両端をCu電極にハンダで接合して、500 A級電流リードユニットを2 組作製した。同ユニットでは両者とも各素線に電圧を生じること無く700 Aを超える直流通電(@77 K、s .f .)をすることが出来た。両端Cu電極間の発生電圧は通電電流の増加とともに直線的に増加し、700 Aでどちらのユニットにおいても500 μV程度であった。また、本電流リードユニット2 組を集合して、同様に直流通電を行った(@77 K、 s .f .)ところ各素線に電圧を生じること無く1400 Aを超える通電が出来た。4.2 K-77 K間における熱侵入量の計算結果に依れば、YBCO素線では8 mW、GFRPを含む電流リードユニットでは46 mWと計算され、従ってユニットを組合せて1000 A級とした場合には92 mWとなった。これは本研究室で以前作製した1000 A級電流リード(補強材としてSUS板使用)の熱侵入量345 mWの1/3以下であり、従来のガス冷却型Cu電流リード(1.2 W/kA)と比較した場合においては1/10以下の値である。