ゼロ磁場冷却法により励磁する高温超伝導溶融バルク磁石の温度と磁場侵入の挙動

Temperature and Magnetic Flux behaviors of HTS Melt-Processed Bulk Magnet Activated by Zero Field Cooling


岡 徹雄 (新潟大); 横山 和哉 (足利工大); 藤代 博之, 能登 宏七 (岩手大)
okat*eng.niigata-u.ac.jp


Abstract:単結晶ライクなSm123ベースの超伝導バルク磁石が5Tのゼロ磁場冷却によって励磁される場合の温度変化とその磁場分布の測定を行った。実験した50-60Kでは強いピン止め点の存在によって磁束量子の侵入が制限されるとともに、印加磁場を止めてもフラックスクリープ現象によって磁場の侵入は続いた。この際に磁束量子の運動に伴って上昇する温度は磁場印加速度が5.06mT/sの場合で7.5Kになり、磁場上昇過程と下降過程で磁束の振る舞いが異なった。温度上昇は磁束量子の運動による発熱と冷凍機の冷却速度とのバランスで理解され、材料の伝熱性能の改良や冷却系における冷却速度の向上によって捕捉磁場性能が改善できることを示した。