RE123における点欠陥の要素ピニング力と不可逆磁場

Relationship between Irreversible Fields and Elementary Pinning Forces by Point Defects in RE123


石井 悠衣, 赤坂 友幸, 荻野 拓, 堀井 滋, 下山 淳一, 岸尾 光二 (東大); 淡路 智 (東北大)
tt077126*mail.ecc.u-tokyo.ac.jp


Abstract:我々はこれまでに、不純物元素の微量置換が銅酸化物超伝導材料の高臨界電流特性化において普遍的に有効であることを示してきた。しかしながらそれら各々の要素ピニング力fpとJcとの詳細な関連は明らかではない。本研究では、置換された不純物イオンを点欠陥とみなし、凝縮エネルギーに基づいた要素ピニング力の温度依存性と磁化測定によって求めた不可逆磁場の関係を調べた。その結果、コヒーレンス長よりも小さい欠陥の場合には、温度の低下とともにfpの増加が著しく強められることが分かり、不可逆磁場とも確かに相関していることが分かった。この結果は、RE123結晶のもつ点欠陥のピニング力が、Jcの温度依存性に寄与していることを定性的に示した初めての結果である。