Critical current property of （Y，Gd）BCO coated conductors fabricated by TFA-MOD process
井上 昌睦, 兒玉 青樹, 木須 隆暢 （九大）； 兼子 敦, 青木 裕治 （昭和電線）； 宮田 成紀, 和泉 輝郎, 山田 穣, 塩原 融 （SRL）
inoue*ees.kyushu-u.ac.jp
Abstract: 低コスト線材としての実用化が期待されている塗布熱分解法により作製された希土類（Rare Earth、RE）123線材の磁場中の臨界電流特性を向上させる手法として、混晶系の採用が提案されている。
本研究では、IBAD基板上に塗布熱分解法によりイットリウムとガドリニウムの混晶膜を作製した、（Y，Gd）BCO線材の臨界電流特性及びピンニング特性について報告する。
今回作製された（Y，Gd）BCOの混晶膜はYBCO膜に比べて、磁場中で高いJcを示した。転移磁場も高くなっていることから、ピン力が向上していると考えられる。また、通電特性より評価したJcの統計分布も、高Jc側に広くなっていることが明らかとなった。このことは、（Y，Gd）BCO膜の均一性向上による更なる高Jc化の可能性を示唆している。Dyを添加したYBCO薄膜の臨界電流特性についても合わせて報告する予定である。
本研究は、イットリウム系超電導電力機器技術開発の一環としてISTECを通じてNEDOからの委託を受けて実施したものである。