高断面アスペクト比をもつMgB2テープ線材の臨界電流特性

Critical current properties of MgB2 tapes with high aspect-ratio cross-sections


松島 健介, 吉留 佑介, 若林 佑樹, 川越 明史, 川畑 秋馬, 住吉 文夫 (鹿児島大); 柳 長門, 三戸 利行 (NIFS); 木内 勝, 小田部 荘司, 松下 照男 (九工大); 高橋 雅也 (日立)
k6320148*kadai.jp


Abstract:核融合装置用コイルには、低損失化と高安定化の両立、および低コスト化が必要である。本研究では、臨界電流向上と損失低減を両立させるために、高断面アスペクト比のMgB2テープ線材の開発を行っている。本テープ線材は、丸線材を圧延した後に熱処理したin-situ法線材である。これまでに、テープ形状に圧延することによって、高臨界電流密度と低交流損失の両方の性能が向上することを明らかにしている。今回は、SiC添加された線材でも同様の効果があるかどうかを確かめるために、SiC添加した線材でテープ線材を作製し、臨界電流の測定を行った。その結果、SiC添加されたMgB2テープ線の臨界電流密度は、フィラメントのアスペクト比が15のときに、丸線材の約7倍まで向上していることがわかった。添加物なしのMgB2テープ線材との比較結果や、テープ線に加工することによる臨界電流密度向上のメカニズムなどについて議論し報告する。