In-situ法MgB2/Fe 線材の線径依存性~組織と臨界電流特性~

Outer diameter of In-situ MgB2/Fe Wire ~Microstructure and critical current properties~


渡辺 喜史, 松岡 宏明 (日大); 前田 穂, 金 正鎬 (Wollongong 大); 久保田 洋二 (日大)
yw4423*yahoo.co.jp


Abstract:これまでにIn-situ 法を用いてMgB2線材を作製し、Mgが繊維状に伸びる事を報告している。我々はFeシースを用いて臨界電流密度Jcの高いMgB2線材を作製し超伝導線材を得てきた。
今回、さらなるJcの向上に期待しFeシースを用いて外径0.381mm~0.95mmの超伝導線材を作製し、その臨界電流値Ic、臨界電流密度Jc、臨界温度Tcの線径依存を調べた。試薬のMg(99.9%, 150μm)とB (99%, 1μm)を化学量論比Mg : B=1 : 2で40分間混合し、加重4.0トンでφ5.5mmの円柱状に圧粉成型をする。成型体を外径9.5mm、内径5.6mmのFeシースに詰め、角型ロールと丸型ロールで圧延加工を施し、線径が1.11mmになるまで縮径した。その後、ダイスを用いて外径がそれぞれ0.95, 0.834, 0.671, 0.52, 0.381mmになる様に線引きを行った。
外径0.52mmの線材における 4.2K, 10TのJcは3.1×10³A/cm²であった。
外径を0.95mmから0.834mmまで減面するとIcとJcは共に増大した。しかし、外径を0.834mmから0.381mmまで減面していくとIcは徐々に減少していった。また、Jcは外径を0.831mmから0.381mmまで減面しても大きく変化しなかった。