J-PARCニュートリノビームライン用超伝導電磁石システム (20)
−メンテナンスおよびシステムの運転状況 −

Superconducting magnet system for the J-PARC neutrino experiment (20)
--- Maintenance and Operation Status of the Superconducting Magnets System---


佐々木 憲一, 中本 建志, 木村 誠宏, 岡村 崇弘, 荻津 透, 槙田 康博, 荒岡 修, 飯田 真久, 大畠 洋克, 鈴木 祥仁, 都丸 隆行, 山本 明 (KEK)
ken-ichi.sasaki*kek.jp


Abstract:我々のグループでは、大強度陽子加速器J-PARCの陽子ビームを利用した次期ニュートリノ振動実験計画において、岐阜県神岡にあるスーパーカミオカンデへ向けて陽子ビームを約90度曲げるための超伝導電磁石ビームラインの建設を行ってきた。このビームラインでは2.6Tの2極磁場と19T/mの4極磁場を同時に発生するコンバインドファンクション型超伝導電磁石が28台並べられ、すべてが電気的、冷却フロー的に直列に接続される。2009年1月から3月までの超伝導システム試運転に続いて、最初のビーム試運転が5月末まで行われ、陽子ビームが磁石システムを問題なく通過できる事を確認した。しかしながら伝導冷却の補正磁石について、定格電流41Aまで通電できず、全6台の磁石が約13Aでクエンチしてしまうことが分かった。考えられる要因の一つとして、熱リンクの不足による冷却不足が有り、2009年6月から9月末までのメンテナンス期間中に、いくつかの改修を行った。本報告では、改修状況および10月から始まる2度目の冷却試験結果、その他運転状況について報告する。