Interfilamentary coupling properties of Bi2223 tapes with resistive Ag-alloy sheath in AC perpendicular magnetic field
稲田 亮史, 田中 洋介, 中村 雄一, 太田 昭男 （豊橋技科大）； 李 成山, 張 平祥 （西北有色金属研究院）
inada*eee.tut.ac.jp
Abstract:アスペクト比15〜20程度のテープ形状を有するBi2223線材において，商用周波数帯・垂直横磁界下での磁化損失低減を実現するには，多芯化された超電導フィラメントにツイストを施すだけでなく，母材の高抵抗化が必須である。我々は，フィラメント間に酸化物バリアを導入した線材の作製と損失特性の評価を進めているが，現状では10mm以下のツイストを施した際のJcの劣化や線材内のフィラメント間ブリッジングの問題があり，垂直磁界損失の低減効果については十分な検証ができていない。一方，純銀母材を高抵抗銀合金（Ag-Au等）でリプレイスする手法は，バリア線材と比較して加工性が良いため，垂直磁界損失低減に向けた線材構造（線幅，芯数，ツイスト長，横断抵抗率，等）に関する原理検証には適している。
本研究では，Ag-Au（8， 16wt%）合金をシース材とするツイスト線材を試作し，垂直磁界損失特性を測定・評価した。各合金の抵抗率（77 K）は，純銀に対してそれぞれ7倍（8wt%）および13倍（16wt%）程度高抵抗化されている。測定結果に基づいて，各線材のツイスト長および母材抵抗率が垂直磁界下でのフィラメント間結合特性におよぼす影響を検討した。