異なる断面形状のCIC導体における結合電流ループの実効的鎖交面積の考察

Investigation of the effective cross sections of the coupling current loops in different shape CIC conductor


谷貝 剛, 柴田 健志, 大村 惇, 津田 理, 濱島 高太郎 (東北大); 布谷 嘉彦, 奥野 清 (原子力機構); 高畑 一也 (NIFS)
gaiya*ecei.tohoku.ac.jp


Abstract:大型のCIC導体を用いたマグネットでは、変動磁界中で使用されるために結合損失の増大が大きな問題となっており、その低減が重要である。結合損失は導体の仕様と運転条件でほぼ決まっており、損失低減のための明確な導体設計指針が必要である。これまで筆者らは、素線軌跡の3D計測によって導体内部構造を明らかにし、形成される結合電流ループを解析することで、損失を低減できる導体設計のためのデータを蓄積してきた。本研究では、円形断面(81素線)の導体と矩形断面(486素線)の導体の素線軌跡を詳細に3D計測し、その結果断面形状の違いによって、変動磁界に対する結合電流ループの鎖交面積形成に差があることを発見した。すなわち、矩形断面場合には、鎖交面積の打ち消しが起こりにくく、その結果損失が円形断面の導体よりも大きくなる可能性が示唆された。