CVD法によるYBCO線材の臨界電流特性の超電導層厚依存性

Superconduting layer thickness dependence of critical current property in CVD proccesed YBCO tape


姫木 携造, 木内 勝, 小田部 荘司, 松下 照男 (九工大); 式町 浩二, 渡部 智則, 鹿島 直二, 長屋 重夫 (中部電力); 山田 穣, 塩原 融 (SRL)
himeki*aquarius10.cse.kyutech.ac.jp


Abstract:優れた臨界電流密度(Jc)を有するYBCO線材は様々な応用が期待されているが、IBAD/PLD法で作製されたYBCO線材では超電導層厚によって臨界電流特性が変化する事が知られている。そこで本研究では、IBAD/CVD法で作製されたYBCO線材の超電導層厚さが臨界電流特性に及ぼす影響について測定し、製法の違いによってどのように変化するのかを調べた。超電導層の厚さが0.18~0.90μmの試料を用いて磁化法による臨界電流特性の評価を行った。77K,0Tでは厚さが0.45μmまでJcの劣化は見られず、それ以上の厚さにおいて大きくJcが減少する結果となったが、これはPLD法の結果とは異なる。また77Kでの磁界依存性を比較すると薄い試料ほど高い磁界依存性であることが分かった。これらの実験結果より磁束クリープ・フロー・モデルを用いて解析し、PLD法試料との違いについて検討を行った。