医薬用たんぱく質の高勾配磁気分離システムによる高速分離・精製・回収用フィルターの設計

Design Study on Filter of High Gradient Magnetic Separation System for trapping Immunoglobulin in Serum


我妻 洸, 淵野 修一郎, 古瀬 充穂 (産総研); 植田 浩史, 石山 敦士 (早大); 柁川 一弘 (九大)
ueda*super.elec.waseda.ac.jp


Abstract:医療用たんぱく質のうち特に血清中に微量存在する免疫グロブリンの分離・精製に超伝導マグネットを用いた高勾配磁気分離システムを応用する検討を行ってきた。既存技術では、磁気分離に永久磁石を用いている為、磁気力が弱く、分離できる磁気ビーズの大きさは約1.5ミクロン程度以下には出来ない。ナノサイズの医用たんぱく質を効率良く分離するには、磁性ビーズをナノサイズにすることが嘱望される。磁性ナノ微粒子を効率良く磁気分離出来れば、たんぱく質と特異的に結合する物質を磁性ナノ微粒子の表面に付けることにより、免疫グロブリンなどの医用たんぱく質の連続・高速の分離・精製が可能になる。我々は超伝導マグネットを用いることにより働く磁気力を強めて、磁性ナノ微粒子を高勾配磁気分離で効率よく分離・精製できることを実験で示した。しかし、磁性ナノ微粒子を高速で高効率に回収するには、目詰まりを起こさないフィルターの開発が重要であることがわかった。我々は磁性ナノ微粒子の高速回収用フィルターの設計・検討を行ったので報告する。