加圧焼成法により作製されたBi2223線材の電流輸送特性

Transport characteristics in Bi2223 wire fabricated by CT-OP process


本山 皓士, 井上 昌睦, 木須 隆暢 (九大); 綾井 直樹, 菊地 昌志, 林 和彦, 佐藤 謙一 (住友電工); 中尾 公一, 田中 靖三, 塩原 融 (SRL)
inoue*ees.kyushu-u.ac.jp


Abstract:加圧焼成法により作製されたBi2223線材の電流-電圧特性の、温度、磁界、磁界印加角度依存性を実験により詳細に調べるととともに、パーコレーションモデルに基づくピンニング解析手法を用いた電流輸送特性の定式化について検討を行った。試料は、交流損失の低減を図ったスリム型(Type-S)線材で、線材幅は2.6mmとなっている。また、77K、自己磁場でのIcは71Aである。同線材の電流−電圧特性を、4.2K〜77K温度領域、自己磁場 12Tの磁場領域、0 90度の角度領域に亘り系統的に調べるとともに、Jc-B-T-θ特性の定式化を行った結果について報告する。従来線材との特性比較の結果、垂直磁界に比べ平行磁界中の転移磁界が向上しており、異方性の増大が見られることから、線材内のフィラメント配向性が向上している事が伺える。加圧焼成に伴う配向性の改善が高Jc化に結びついていると考えられる。