バルク磁石を用いた磁気分離によるめっき廃液中のニッケルの回収

Collecting Nickel Element from Waste Solution of Plating Process by Magnetic Separation with Bulk Magnet


金山 隼人, 田中 克昌, 小林 遼, 福井 聡, 小川 純, 大泉 学, 岡 徹雄 (新潟大); 山口 貢 (超電導機構); 寺澤 俊久 (イムラ材研); 辻村 盛夫 (愛知技研)
f07e072c*mail.cc.niigata-u.ac.jp


Abstract: 無電解ニッケルめっきは複雑な形状の製品にも均一に被膜し、防錆は勿論耐食性や硬度に優れることから電子産業や自動車産業において広く利用されており、それに伴い使用済みめっき液の処理が大きな問題になっている。現在、これらは沈殿法により処理されているが、ニッケルを回収して再利用するための新たなプロセスの確立が望まれている。ニッケルは水溶液中のイオンの状態では磁性を持たないが、沈殿などの化合物になればわずかに磁性を有するので、本研究ではニッケルの磁性に注目し、超伝導バルク磁石の特徴である強力な磁場と急峻な磁場勾配を用いて磁気分離を行った。めっき廃液にpH調整をすることで沈殿したニッケル化合物が3.4Tのバルク磁極に吸着することを確認しており、これは高勾配磁気分離法による処理が適用できることを示している。