伝導冷却型超伝導マグネットの冷却構造最適化研究

Cooling structure optimization study of a conduction-cooled superconducting magnet


三戸 利行, 力石 浩孝 (NIFS); 川越 明史, 住吉 文夫 (鹿児島大)
mito*nifs.ac.jp


Abstract:伝導冷却方式の超伝導マグネットを設計する場合、使用温度の相違による材料の熱物性の変化に注意を払う必要がある。著者らが行った「伝導冷却型LTSパルスコイル」の開発研究では、マグネット構成材料の熱拡散率(熱伝導度/比熱)が極低温で著しく増大する効果を応用し、金属のみでなくエポキシやGFRP等の絶縁物を用いてもコイル構造を最適化することにより、秒単位でコイル全体に熱が拡散する高排熱特性の達成が可能であることを実証した。しかし、固体熱伝導に頼るだけでは熱輸送特性には限界があり、より高熱負荷で高性能なマグネットとするためには、新たな技術の導入が必要である。また、熱拡散率の増大効果は10K以下の極低温でしか有効ではないため、20K以上の運転温度を想定している高温超伝導マグネットでは同様の効果は期待できない。高熱伝導率と低比熱を両立した高熱拡散率のコイル構造を実現することにより、超伝導マグネットの冷却構造を最適化する設計指針について検討した。