NbとAg-Sn合金の拡散により生成したNb3Sn線材へのMg添加効果

Effects of Mg Addition on Nb3Sn Wire Fabricated through Diffusion Reaction between Nb and Ag-Sn Alloy


岩谷 雅義, 井上 廉 (徳島大); 竹内 孝夫, 木吉 司 (NIMS)
gangan*ee.tokushima-u.ac.jp


Abstract:今までの研究で、 Ag-Sn 合金の拡散反応において、 Ag は Cu のように Nb3Sn の拡散生成を促進する効果はないが、特性的にはブロンズ法に劣らない Nb3Sn が生成し、更に Mg を添加することで特性を改良できる可能性があることを明らかにしてきた。今回は、 Nb と Ag-Sn-Mg 合金の複合体を2段階で詰め込み加工し15000芯とした線材と、 Ag-Sn-Mg 中の Sn 比率を増加させた線材を作製し、 Nb3Sn 相の細分化と Ag-Sn 中の Sn 濃度の増加が超伝導特性にどのような効果を及ぼすのかを検討した。Sn 比率を増加させたものはまだ単芯線材段階であるので詳しいことは不明瞭であるが、15000芯とした線材は Ic 特性が飛躍的に向上し、現在実用化されているブロンズ法によって作製された Nb3Sn 線材と比較しても見劣らないほどの特性を得ることができた。