TFA-MOD法YBCOテープ線材を用いた電流リードの開発(2)(平角型電流リードの作製とその特性)

Development of current leads prepared by the TFA-MOD processed YBCO tapes (2)(Board type current lead and its properties)


塩原 敬, 堺 智, 大木 茂人, 山田 豊, 太刀川 恭治 (東海大); 小泉 勉, 引地 康雄, 青木 裕治, 長谷川 隆代 (昭和電線)
8aazm017*mail.tokai-u.jp


Abstract:TFA-MOD法により作製したYBCOテープ線材を用いて超伝導電流リードを試作した。77K、自己磁場において約100Aの臨界電流値を有するテープ線材(幅4.5mm、長さ200mm)をオーステナイト系ステンレス鋼板(SUS304、幅36mm、厚さ3mm)上に片側6本、計12本配置した。液体窒素中における通電試験に依れば、1000Aを10分間安定に通電することが出来、各素線に電圧は生じなかった。1100A付近で何本かのYBCO線材に電圧が生じたが、クエンチせずに1200Aまで通電が出来た。両端の銅電極間での発生電圧は通電電流と共にほぼ直線的に増加し、1000Aで片側約150μV、両端で約300μV程度であった。本電流リードの77K-4.2K間における熱侵入量は約400mWと計算されるが、SUS板の伝導熱が比較的大きいため、同板を1mmtと薄くすることにより240mWに低減するものと予想される。