TFA-MOD法YBCOテープ線材を用いた電流リードの開発(1)(円筒型電流リードの作製とその特性)

Development of current leads prepared by the TFA-MOD processed YBCO tapes (1)(Cylindrical type current lead and its properties)


堺 智, 塩原 敬, 大木 茂人, 山田 豊, 太刀川 恭治 (東海大); 小泉 勉, 引地 康雄, 青木 裕治, 長谷川 隆代 (昭和電線)
8aazm013*mail.tokai-u.jp


Abstract:TFA-MOD法により作製したYBCOテープ線材を用いて超伝導電流リードを試作した。77K、自己磁場において約100Aの臨界電流値を有するテープ線材(幅4.5mm、長さ200mm)12本を、オーステナイト系ステンレス鋼管(SUS304、径20mm)を12角型に加工した外周部に配置した。液体窒素中における通電試験に依れば、1000Aを10分間安定に通電することが出来、各線材に電圧は生じなかった。1100A付近で一部のYBCO線材に電圧が生じたが、クエンチには至らず1200Aまで通電が出来た。電流リード両端の銅電極間での発生電圧は通電電流と共にほぼ直線的に増加し、1000Aで約230μV程度であった。また、液体窒素−大気間の熱サイクル試験を4回行ったが、通電特性の低下は見られなかった。本電流リードの77K-4.2K間における熱侵入量は280mWと計算され、従来の銅製電流リードに比べて約1/4であった。