大型ヘリカル装置用超伝導ヘリカルコイにおける常伝導転移自動判定システムの開発

Development of the System for Judging Normal Transitions Mechanically in the LHD Superconducting Helical Coils


関口 温朗, 柳 長門, 今川 信作 (NIFS)
sekiguchi.haruo*LHD.nifs.ac.jp


Abstract:大型ヘリカル装置の超伝導ヘリカルコイルでは、強大な電磁力によって巻線に機械的擾乱が発生することが観測されている。機械的な擾乱によって局所的に超伝導状態が破れることがあり、それが短時間で消滅する常伝導転移として観測される場合もある。コイルの常伝導転移はバランス電圧の計測によって検出されるが、クエンチに至らない短時間の常伝導転移に対しては、これまでは人による通電中の監視と計測後のオフラインでのデータ解析で、その発生の有無を判定していた。今回これを補助する方法として、PCベースの計測装置によるデータ収集とリアルタイム解析により自動で判定をおこなうシステムを開発した。開発の初期段階では、常伝導転移以外にも磁束跳躍やプラズマ放電の際に判定ミスが発生したが、その後、波形パターンによるフィルタリング処理等によって判定の精度が向上した。今年度は更に、ピックアップコイルの信号を取り込み、それから得られるデータを判定条件に追加したシステムに改造した。今回の発表ではこれらについての報告をおこなう。