一括励磁方式15T(Nb3Al/Nb-Ti)超伝導マグネットの製作と試運転

Fabrication and trial run of a 15T superconducting magnet consisting Nb3Al coils connected in series with Nb-Ti one


竹内 孝夫, 伴野 信哉, 北口 仁, 菊池 章弘, 飯嶋 安男 (NIMS); 吉川 正敏 (JASTEC); 田川 浩平, 田中 和英, 中川 和彦 (日立電線)
TAKEUCHI.Takao*nims.go.jp


Abstract:NIMSが有するチューブ法Nb3SnコイルとNb-Tiコイルからなる超伝導マグネットは295Aの運転電流で30mmのクリアボアに合計14Tの磁場を発生させていたが、最近、Nb3Snコイルで定格に達する前にクエンチが頻発した。そこでNb3Snコイルを急熱急冷変態法Nb3Alコイルに交換するとともに、従来より広いクリアボア径(40mm)に従来より1T高い15Tを従来と同じ一括運転電流値295Aで発生することを試みた。運転電流値を合わせるために、従来より細いクラッド加工Cu安定化Nb3Al平角線(1.8wx0.8t→1.6wx0.7t mm2)を試作し利用した。Nb3Alの全巻き線長さは1021mである。絶縁材はアルミナシリカ編素編み線で真空雰囲気での変態熱処理(800℃x10h)においては昇温途中の500℃で2hの中間ステージを採用した。変態熱処理後バインダー除去処理を施し、さらにワックス含浸処理を施した。Nb3Al線材のマトリックス材種がNbなので励磁初期にフラックスジャンプが発生するが0.5A/sの励磁速度で問題なくマグネットを励磁できた。初励磁の14.75TでNb-Tiコイルのクエンチを経験したが、2度目の励磁で定格に達した。