直流超伝導送電のためのペルチェ電流リードの物性と動作試験

Properties and performance of Peltier current lead for DC superconducting power transmission system


藤井 友宏, 佐々木 淳, 杉本 達律, 浜辺 誠, 河原 敏男, 山口 作太郎 (中部大); KIM A-Rong, PARK Minwon (Changwon 国大)
te08009*isc.chubu.ac.jp


Abstract:中部大学では直流超伝導送電の研究を行っているが、特に短距離の超伝導送電では電流リードからの熱侵入の低減が重要である。そこで、電流リードからの熱侵入を低減するためにペルチェ素子を用いたペルチェ電流リード(PCL)を採用している。PCLはケーブルへの通電電流を直接冷却に利用している。すなわち、通電によるペルチェ効果で、内部の熱を外部へ汲み出すことができる。この熱流の方向は伝導型により異なるため直流送電に適している。PCLには低電気抵抗率、低熱伝導率、高ゼーベック係数のペルチェ材料が必要であり、ここではBiTeを用いた。今回、特性の異なる2種類のN型のBiTeを用いてその物性とPCLとしての性能の比較を行った。BiTe両端での温度分担は同じサイズでもその熱伝特性により異なる。#1のBiTeは27Aで最大80Kの温度分担が得られている一方、#1よりも熱伝性能の高い#2のBiTeはより大きい34Aで最大77Kの温度分担が得られた。また、#2の方はその後51Aまで電流値を増加させても温度分担はほとんど変わらなかった。