超伝導送電用断熱二重管の亜鉛メッキによる熱輻射シールドの簡素化

Simplification of heat radiation shield by zinc-coated cryogenic pipe for superconducting power transmission


那須 祐児, 杉本 達律, 浜辺 誠, 河原 敏男, 山口 作太郎 (中部大); 石黒 康英, 新司 修 (JFEスチール)
te07013*isc.chubu.ac.jp


Abstract:液体窒素を冷媒とする高温超伝導体の発見により、超伝導技術の実用化が進んでいるが、長距離の直流超伝導送電を実用化させるには、配管部分での熱侵入、すなわち輻射熱を低減させる必要がある。一般の低温機器は、多層断熱材(MLI)を10層以上使用して輻射熱を低減しているが、MLIをそのまま長距離送電システムに適用すると、多量のアウトガスによって真空断熱の確立に多大な時間を要する。したがって、長距離送電を行うには、MLIの使用量は少ないほうが望ましい。そこで我々は、MLIの使用量削減のために、液体窒素冷媒のための断熱二重管の表面に亜鉛メッキを施し、配管の輻射率を低減させて、輻射熱を下げる研究を行ってきた。その結果、MLIの使用量が削減でき、3層のMLIで1.1 W/mまで輻射熱を低減できた。また、このときの排気時間は10層のときの半分程度であった。