Sm2Zr2O7を添加したSmBa2Cu3Oy薄膜の微細構造と磁束ピンニング特性

Flux pinning properties and microstructure in SmBa2Cu3Oy thin film doped with Sm2Zr2O7


滝沢 智生, 吉田 隆, 一野 祐亮, 高井 吉明 (名大); 一瀬 中 (電中研); 松本 要 (九工大); 堀井 滋 (東大); 向田 昌志 (九大)
t-morikawa*ees.nagoya-u.ac.jp


Abstract:REBa2Cu3Oy(REBCO)膜内に人工ピンニングセンタを導入することで、磁場中における臨界電流密度(Jc)が飛躍的に向上することが知られている。その中でもBaZrO3 (BZO)ナノロッドはc軸相関ピンとして非常に有効であり、その成長機構について盛んに研究が行われている。本研究では、BZOがREBCOと同様にBaO面を持つことに注目し、新しい磁束ピンニング材料としてRE面を持つSm2Zr2O7 (SmZrO)を添加したSmBCO薄膜をMgO基板上に作製し、その微細構造と磁束ピンニング特性を調べた。得られた薄膜の超伝導特性は、Tc=91.5 K, Jc=1.8 MA/cm2を示し、さらにB=1TにおけるJcの磁場角度依存性は、Jc (B//c)/Jc (90°)が、PLD-SmBCOのその値に比べ約1.2倍となる。また、断面TEM像からSm-rich, Ba-poorな組成の約20 nm程度の粒状の析出物が観察できた。当日は、SmZrO、及びBZOを導入したREBCO薄膜の微細構造を比較検討する予定である。