Bi2223/Ag導体による電流リードの低損失化

Loss reduction of current leads using Bi2223/Ag tape conductors


古瀬 充穂, 我妻 洸, 淵野 修一郎 (産総研)
m.furuse*aist.go.jp


Abstract:著者らは,室温から液体窒素温度までの電流リードの損失を液体窒素の蒸発量で測定する装置を製作し,様々な金属材料電流リードの損失の測定を行ってきた。測定の結果から,各種材料の室温~液体窒素温度における平均ローレンツ数を計算し,これが電流リードとしての良い性能指標になることを示した。試験した試料の中で最も低損失という結果を得たのは,市販のBi2223/Agであった。これは,電流が銀合金に埋め込まれたBi2223へ臨界温度以下で転流し,分流開始温度以下でジュール損失が無くなったためと考えられる。しかし臨界温度以上では超電導体は用を為さず,かえって定格電流を低下させてしまう。そこで今回,無酸素銅製電流リードの低温端に市販のBi2223/Ag導体をはんだ付けし,損失を測定した。その結果,わずかながら低損失化が可能であることが実験的に示された。試験結果とその考察を発表する。