ITER・TFコイル構造物製作のための構造規格

Structural code for manufacturing of structures for ITER TF coils


中嶋 秀夫, 新見 健一郎, 大森 順次, 高野 克敏, 河野 勝巳, 堤 史明, 濱田 一弥, 奥野 清 (原子力機構)
nakajima.hideo*jaea.go.jp


Abstract:日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、国際熱核融合実験炉(ITER)の建設において、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の構造物全量の製作を分担する。TFコイル構造物の品質を確保するには、構造規格に従った製作が求められるが、超伝導コイルの製作を規定した構造規格は存在しない。このため、原子力機構は、TFコイル構造物の製作で使用することを目的として、日本機械学会・発電設備規格委員会で策定を進めている超伝導マグネット構造規格の開発に協力してきた。この規格は一般要求事項、材料、設計、製作、非破壊試験、耐圧・漏れ試験、用語で構成され、「日本機械学会 核融合設備規格 超伝導マグネット構造規格(2008年版)」として平成20年末には発行される見通しであり、原子力機構は、この規格をITER・TFコイル構造物の製作で使用する予定である。本規格には、これまでに原子力機構が実施した超伝導コイルの開発成果が生かされおり、例えば、材料規定では、極低温材料であるJJ1鋼を規格材料として規定するとともに、既存鋼種である316LN鋼を(C+N)量でグレード分けしている。また、設計規定では、許容応力は降伏強さの2/3と引張強さの1/2の小さい方の値として決定する等、超伝導マグネットの特徴を考慮した規格となっている。本講演では、この構造規格開発の経緯と規格の特徴を紹介するとともに、TFコイル製作の今後の計画について報告する。