妹尾 和威				, 	西村 新	, 	菱沼 良光	(NIFS);中村 一也		, 	高尾 智明	(上智大);西島 元		, 	渡辺  和雄	(東北大);片桐 一宗	(岩手大)
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Abstract: 核融合用超伝導マグネットにおいて、ケーブル・イン・コンジット型導体(CICC)は高磁場・大電磁力の条件で大電流を通電可能な導体として有望である。特に、磁場10T以上の装置ではNb3Snなどの化合物系超伝導材料でなる導体が適用される。先に実施されたITER-TFモデルコイル実験において、約80トン/mの導体横方向電磁力のために導体の特性が歪み量換算で約-0.8%相当まで劣化したことが報告された。この様な電磁力の問題はNb3Snのみならず、高温超伝導をはじめとした将来の強磁場用超伝導材料の共通課題である。我々は、本課題を研究するために、実機相当の導体横圧縮応力を印加した状態で、簡易的に臨界電流を測定可能な実験設備を試作した。Nb3Sn導体において、平均圧縮応力30MPa以上を印加した場合、臨界電流は50%程度まで劣化することを明らかにした。今回は、エポキシ樹脂および氷でモールドした場合の、劣化の緩和を評価した。素線間のボイドをこれらの材料で充填した結果、前記応力印加時においても超伝導特性がほとんど劣化しないことを明らかにした。