高温超電導SQUIDを用いた電力用アルミより線の断線非破壊検査
Nondestructive Inspection of Wire Breakage in Aluminum Power Line Using HTS SQUID

廿日出 好 , 宮崎 敦司 (豊橋技科大);松浦 英樹 , 前田 龍己 , 福家 靖司 (四国電力);田中 三郎 (豊橋技科大)
hatukade*eco.tut.ac.jp


Abstract:  電力用アルミより線の接続には、アルミ製ジャンパソケットにより線を挿入、圧縮・把持して導通を得る圧縮接続法が用いられている。このソケット内部では、ソケットとより線との界面において酸化が発生し、この酸化が電流による発熱などにより進行すると、接触抵抗が増大していく。また、日常的な微風、着氷雪により電線が揺動するなど、接続部に繰り返し荷重が負荷されることもある。このため、接続部は他の部分と比べて寿命が短くなることがあり、溶解・素線切れが生じ、最悪の場合断線に至る恐れがある。現在は、素線断線箇所で生じる発熱をサーモグラフィによって検知する方法などが用いられているが、かなり進行した劣化した状態でしか検出できない。そこでソケット内部の素線断線を早期発見する手法として、深部欠陥の検出に適した電流注入法ベースのHTS SQUID非破壊検査手法を適用することによって、接続部内のより線に発生した劣化の早期検出が期待できる。今回はその第1段階として圧縮接続前のより線における断線を検出できるかどうかを調べた。実験では、変電所などで使用される直径16 mmの硬アルミより線から長さ250 mmを切り出して試験体とした。これは、直径3 mmの素線19本がより合わされ、それぞれが軸方向に約170 mm進むと1周するように捻られている。断線していない正常サンプルと、断線サンプルとして最外周の1本の素線が途中で一部切断されているものを用意した。これらのより線両端に、全素線に電極を設けて電流を流し、発生する磁場勾配の二次元分布をHTS SQUIDグラジオメータを用いた非破壊検査システムで計測した。測定の結果、断線素線がSQUIDに近づく場所で磁場勾配が最も小さくなった。また、断線素線が撚り線真横付近にあるときに磁場勾配が最大になった。これらの磁場勾配の変化は周期的なパターンとなり、断線素線全体に電流が流れていない可能性が示唆された。正常なサンプルではこのパターンが見られなかったため、このパターンからより線の素線断線の識別が可能になると推定される。また、実験結果の検証のため、簡単な数値シミュレーションも行った。