Abstract:　 液体水素と超電導機器を複合化することにより，環境に優しく，かつ，持続性のある社会を実現できる。その代表例として，液体水素―超電導DCマイクロ・グリッドを提案する。マイクロ・グリッドは，太陽光発電などの自然エネルギー発電源，水素生成プラント、水素液化機，液体水素貯蔵タンク，自動車用水素供給ステーション，液体水素輸送パイプライン，燃料電池（FC），および，パイプライン中に敷設された超電導送電線，液体水素タンク中に敷設された超電導電力貯蔵装置（SMES），など超電導応用機器などから構成される。マイクロ・グリッドでは，余剰の自然エネルギー発電や夜間余剰電力を用い，水の電気分解を利用して水素を大量に生成・貯蔵し， 電力需要が大きくなる昼間にFCを通じて一定の電力を供給し続けることができる。また，急激な電力消費の増加や事故の際には，SMESが瞬低防止や電力の平滑化を行い高品質な電力を供給する。液体水素製造源と水素ステーションは，液体水素輸送パイプラインによって結ばれ，低損失に水素が輸送される。さらに，パイプライン中にMgB₂送電線や酸化物系超電導送電線を配置することで，極めて低損失に電力を輸送できる。