微量元素置換によるRE123溶融凝固バルクのJc改善機構

Mechanism of Improved Jc Properties for RE123 Melt-Solidified Bulks by Dilute Impurity Doping


石井 悠衣 , 中島 隆芳 , 山崎 裕也 , 荻野 拓 , 堀井 滋 , 下山 淳一 , 岸尾 光二 (東大)
tt077126*mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
Abstract:  RE123溶融凝固バルクでは、微細な常伝導析出物が有力なピニングセンターとして認識されている。一方、CuO2面のCuサイトへの元素置換において置換量が低濃度の場合、これらのJc特性が大きく改善することが明らかにされてきた。これに対し、我々は結晶構造中の特定金属サイトの選択的な他元素置換による局所的な格子歪みの導入に注目し、BaサイトのSr置換、CuO鎖のCo, Fe, Ga置換、さらに両サイトの共置換によってY123単結晶およびRE123溶融凝固バルクの磁場中Jc特性が劇的に改善することをこれまでに明らかにした。今回は、これらの不純物元素置換によるRE123溶融凝固バルクのJc改善機構について、Baサイト、CuO鎖のCuサイトとの共置換効果を含め議論する。