格子形状断面をもつ高温超伝導コイルの高性能化

Study on performance improvements of a high temperature superconducting coil with a lattice-shape cross section


石栗 慎一 , 岡 徹雄 , 福井 聡 , 小川 純 , 佐藤 孝雄 (新潟大)
kckyg592*ybb.ne.jp
Abstract:  高温超伝導コイルを設計するにあたり、より少ない使用線材で大きな蓄積エネルギーおよび中心磁界を発生させ、これによりコストを削減していかなければならない。そのためには、高温超伝導コイルの通電性能を向上させる必要がある。われわれは、高温超伝導線材の臨界電流の磁界異方性を考慮して、このコイルの通電性能を解析してきた。それによると、コイル断面端部に比較的高い電界が生じていることがわたった。これが、コイルの通電性能増加の妨げとなっている。そこで、本研究では、Fabry係数一定曲線から得られる矩形コイル断面の中央を部分的に分離移動させ、4つの小型コイルからなる格子形状断面をもつ高温超伝導コイルを提案する。全体の線材の使用量を一定に保持したまま、分離移動した小型コイルの大きさを変えて解析した結果、コイル臨界電流、中心磁界および蓄積エネルギーに最適コイル断面が存在することが判明し、その最適形状では、同じ使用線材を用いた矩形断面コイルに比べ、コイル臨界電流は41%増加し、これを受けて蓄積エネルギーも約43%向上することがわかった。