2次元APC導入Y123膜の電流輸送特性

The electrical transport properties of the Y123 films with 2-dimensional APCs

高村 真琴 ， 向田 昌志 （九大）； 堀井 滋 （東大） ； 一瀬 中 （電中研） ； 喜多 隆介 （静岡大） ； 難波 雅史 ， 淡路 智 ， 渡辺 和雄 （東北大） ； 松本 要 （九工大） ； 吉田 隆 （名大） ； 寺西 亮 ， 山田 和広 （九大）
takamura06*zaiko10.zaiko.kyushu-u.ac.jp
Abstract:　 近年、RE123膜への人工ピンニングセンター（APC）の導入が、磁場の印加方向がc軸に平行な場合の臨界電流密度Jcの向上を目的に行われている。しかし2次元APCに関する報告例は非常に少ない。そこで、我々はY123膜への2次元APCの導入を行い、その電流輸送特性を調査した。2次元APCの膜中への導入は、Y123層とPr123層とを交互に積層させたa軸配向多層膜を作製することにより試みた。多層膜の作製はPLD法により行い、Pr123を矩形状に有したY123焼結体をターゲットとして用い、これを回転させながら成膜を行った。また回転速度を変化させることで、Y123層厚を変化させた多層膜を作製し、その電流輸送特性を比較した。作製した薄膜は、XRD測定及びTEMによる断面観察によってY123とPr123のa軸配向多層膜であることが確認され、さらにJcの磁場印加角度依存性において、c軸相関ピンの傾向が見られた。Y123層厚が約6nmと小さい多層膜においては、臨界温度がpure Y123膜に 比較して著しく低下した。