太陽エネルギーを利用した熱音響冷却システムに関する検討
〜ループ管の実用化に向けた研究〜

Study on thermoacoustic cooling system applying the solar energy
〜For the practical use of loop-tube-type thermoacoustic cooling system〜


宮 直基 , 坂本 眞一 , 小宮 慎太郎 , 千田 二郎 , 渡辺 好章 (同志社大学)
dtg0144*mail4.doshisha.ac.jp
Abstract:  熱音響現象を利用した冷却システムであるループ管は,入力した熱エネルギーを熱音響現象により音エネルギーに変換し,その変換された音エネルギーを再び熱エネルギーに変換することで冷却を実現している.黒色塗装した熱交換器に直径600 mmのフレネルレンズにより収束させた太陽光を照射することで,太陽の熱エネルギーを入力エネルギーとして用いて測定を行った.8月9日(晴天)に測定した結果より,太陽エネルギーにより高温側熱交換器の温度は約400 ℃まで上昇し,ループ管内には約1.5 kW/m2の音響インテンシティが発生した.冷却部は33 ℃から19 ℃まで低下し,冷却温度14 ℃が得られた.また,7月24日(快晴)に測定した際には,高温側熱交換器の温度は約480 ℃まで上昇し,冷却部は29 ℃から-4.3 ℃まで33.3 ℃の温度低下が得られ,氷点下の冷却に成功した.