超電導電力貯蔵用7 T電磁力平衡モデルコイルの開発
―クエンチ特性―

Development of a 7-T Force-Balanced Model Coil for SMES
-Quench Properties-


田中 規博 , 野村 新一 , 粕谷 幸司 , 坪井 謙児 , 筒井 広明 , 飯尾 俊二 , 嶋田 隆一 (東工大)
tanaka.norihiro*torus.nr.titech.ac.jp
Abstract:  電磁力平衡コイルはソレノイドやトロイダル磁界コイルで発生する電磁力を互いに打ち消し合い,発生応力の最小化を可能にするヘリカルコイルである。そこで,SMES用超電導コイルとしての可能性を実証するために,直径1.17mmのNbTi線を用いた外直径0.53m,最大発生磁場7 T,最大蓄積エネルギー270kJの超電導電磁力平衡モデルコイルを開発した。開発したモデルコイルはエポキシ含浸やステンレス線などNbTi線への補強材無しで手巻き製作され,総ポロイダルターン数10584ターンを約4ヶ月かけて完成させた。液体ヘリウム浸漬冷却による通電試験は,常温までの昇温を経て2度行われた。その結果,初期クエンチ電流は293 A(NbTi線臨界電流値552 Aの53%相当)であり,通算59回のトレーニングで最大クエンチ電流は461A(NbTi線臨界電流の84%)まで上昇し,5.9Tの発生に成功した。講演では,モデルコイルの手巻き製作技術とクエンチ特性について報告する予定である。