絶縁なしYBCO素線2本で構成した導体の結合損失特性

Coupling loss properties of YBCO conductor composed of two non-insulated strands


瀬之口 諭 , 川越 明史 , 川畑 秋馬 , 住吉 文夫 (鹿児島大); 式町 浩二 , 平野 直樹 , 長屋 重夫 (中部電力)
bt202044*ms.kagoshima-u.ac.jp
Abstract:  高磁界中の臨界電流特性に優れたYBCO線材を用いた超伝導機器の開発が進められている。機器の開発に必要な電流容量を確保するためには、YBCO線材を複数本束ねた導体にする必要がある。本研究では、線材間を絶縁せずに導体化した場合に発生する結合損失特性を明らかにし、導体化のための知見を得ることを目的としている。今回は、絶縁なしYBCO素線2本で構成される導体を300mm長の短尺直線状サンプルとして交流損失の測定を行った。測定は、液体窒素中、液体ヘリウム中、それぞれにサンプルを設置した場合に、導体幅広面に平行に横磁界を印加してピックアップコイル法により行った。今回は、ハステロイ基板面同士を向き合わせて導体化し、その両端の素線間を電極で短絡したサンプルの測定を行った。周波数3〜76.58Hz、磁界振幅2〜5mTの交流横磁界を印加した場合の交流損失は、サンプル端部の電極部を介して流れる結合電流による結合損失が支配的であることがわかった。