Dy-Ba-Cu-O線材の臨界電流の極低温における曲げひずみ特性
Bending strain effect on critical current in Dy-Ba-Cu-O coated conductors


小原 健,常松 泰孝,片桐 一宗,笠場 孝一(岩手大);黒田 恒生,伊藤 喜久男(NIMS);菅野 未知央(京大)
t3405008@iwate-u.ac.jp
Abstract:   コンタクト銀層10μmのISD法によるDyBCO線材の曲げひずみ特性を液体窒素温度で評価した。極低温下で連続的に曲げを加えることができるGoldacker型曲げ試験機を用いた。超伝導体に引張が加わる曲げ試験(曲げ引張試験)では、Icは主に0.2%までは緩やかに劣化し、その後0.4%を超えると急激な劣化が生じた。曲げ圧縮試験では、Icはひずみとともに0.4%までわずかづつ増加し、その後、測定した0.6%までわずかに減少したが、その最初の値より低くはならなかった。FRP試料ホルダーを用いて室温で曲げを加えた曲げ引張試験では、ひずみの間隔が0.2%と粗いが、0.2%までのIc劣化挙動は基本的にはGoldacker式装置によるそれと同様であり、0.4%ではIcの40%まで低下し、0.6%では0となった。また、これらのIcの挙動は試験片の長手方向で局所的に異なることが示された。