ITER TFコイル導体のジャケットの試作及びジャケッティング装置の設計
Trial fabrication of jacket and design of jacketing facility for ITER TF coil conductor


濱田 一弥,中嶋 秀夫,河野 勝巳,高野 克敏,堤 史明,奥野 清(原子力機構);溝口 満(神鋼特殊鋼管);鳥井 正志(新日鐵)
hamada.kazuya@jaea.go.jp
Abstract:  ITER計画において、日本はトロイダル磁場(TF)コイル用導体の調達を担当し、現在、その準備を、国内メーカの協力を得て進めている。TFコイル導体は、SUS316LN製の保護管(ジャケット:外径46.3mm、肉厚1.6mm)に、0.8mmの超伝導線を約1000本束ねたケーブルを引き込んだ構造であり、導体単長さは、最大760mである。TFジャケットの強度要求は、0.2%耐力が950 MPa以上、伸びが30%以上である。今回、原子力機構は、SUS316LNを用いて、TFジャケットを試作し、製造性及び機械特性を検証するとともに、導体を製造する設備(ジャケッティング装置)の設計を行った。ジャケットは、既存のシームレス・パイプ量産製造設備を使用して製作し、外径について+/-0.2mmの要求公差を満たし、ジャケット単長は要求値(10m以上)を上回る14mの製作が可能である等、ITERの要求寸法特性を満足できることを確認した。また、4Kでの引張試験を行った結果、0.2%耐力は1000MPa以上であり,ITERの要求強度を満たした。ジャケッティング装置は、14m長さのジャケットを溶接接続し、760mの直線ジャケットを製作した後で、同じ長さの超伝導ケーブルを引き込み、径方向に圧縮成型した後、所定の径に巻き取る機能を有するもので、本装置の基本設計を完了した。