超電導バルク体製造における粉体圧縮時の成形体欠陥
Defects in green bodies during powder compression process for fabrication of bulk superconductors


成木 紳也,坂井 直道,平林 泉(SRL)
nariki@istec.or.jp
Abstract:  超電導バルク材料を溶融法で製造する際、前駆体の作製は、通常、原料粉を一軸プレスやCIPで加圧成形することにより行われる。原料粉を一軸加圧した後の成形体においては、しばしばクラックが発生している場合がある。本研究では、前駆体作製時の成形条件とクラック等の欠陥の発生について検討を行った結果について報告する。比較的微細な原料粉を、高い圧力で加圧した場合、加圧方向に垂直な方向にラミネーションやキャッピング(成形体の上下面がキャップ状に剥離する欠陥)によるクラックの発生が見られた。また、成形体が大型の場合、減圧時の粉体のスプリングバック(弾性回復)に起因するものと思われるクラックが、加圧方向と同じ方向に発生した。原料粉の粒径を大きくしたり、有機バインダーを添加後、顆粒状に造粒することにより、こられの欠陥を低減することができた。当日は、これらの欠陥が溶融成長後のバルク体の性状に及ぼす影響についても報告する。