2成分系超臨界圧流体中で発現する熱現象に関する数値解析
Numerical simulation for heat transport phenomena in a binary mixture supercritical fluid


中納 暁洋,白石 正夫(産総研)
a.nakano@aist.go.jp
Abstract:  これまで我々は窒素と酸素を混合させた2成分系の人工空気を用いて、超臨界域の擬臨界線周りで発現する熱現象の可視化実験を行ってきた。その結果、この様な多成分系流体においてもピストン効果による熱輸送が行われることを強く示唆する実験結果を得た。しかし、多成分系超臨界圧流体についての、特に臨界点を含む擬臨界線周りで現れる熱輸送現象を調査した報告がほとんど見当らないことから、我々は熱・流体力学的視点から支配方程式を導き、1次元の数値解析モデルを使用して数値解析を試みた。その結果、窒素-酸素の2成分系超臨界圧流体においてもピストン効果による熱輸送が行われることを確認することができた。更に、ここではピストン効果に加え、温度勾配の形成に伴い濃度勾配が生ずるソレ効果についても調査を行った。当日はソレ効果に係る熱拡散比の値について検討した結果も報告する。