超電導磁気浮上式鉄道用高温超電導磁石の開発  − 開発概要 −
Development of the HTS Magnet for the superconducting Maglev - Project Overview -


草田 栄久,五十嵐 基仁,根本 薫,平野 智士,富永 誉也,奥富 健志,桑野 勝之,寺井 元昭(JR東海)
s.kusada@jr-central.co.jp
Abstract:  超電導磁気浮上式鉄道用高温超電導磁石の開発コンセプトと構成について述べる。山梨実験線超電導磁気浮上式鉄道の超電導磁石システムに対し、信頼性の一層の向上、コスト低減を目的とした高温超電導材料の適用を1999年より開始、2003年にはBi2223を用いたプロトタイプ高温超電導コイルで電流減衰率0.44%/日という世界最高性能の実質的な永久電流モード運転に成功した。この成果を発展させ、4台の高温超電導コイルを内蔵した山梨実験線用高温超電導磁石を製作した。運転温度を20Kレベルに設定出来たため、従来のNbTi超電導磁石の浸漬冷却に対し伝導冷却構成としている。従って配管やタンクが不要となり簡素な構造となった。2005年10月より車両搭載のための調整を開始し、励消磁チェック等を実施した後、11月22日より走行試験を開始した。初日に500km/hを達成、12月2日は最高速度553km/hを記録した。また、走行中のコイル温度や電流減衰は安定しており、Bi2223系高温超電導磁石の超電導磁気浮上式鉄道への適用可能性が確認できた。