Bi-2212ラザフォードケーブルの交流損失特性(2)
Measurements of AC losses in Bi-2212 Rutherford cables (2)


上川畑 正仁,川越 明史,住吉 文夫(鹿児島大);長屋 重夫,平野 直樹(中部電力)
ee01018@h13.eee.kagoshima-u.ac.jp
Abstract:  ツイストしたBi-2212素線のラザフォードケーブルについて、横磁界中の素線間結合損失を測定した。この素線は、61本のフィラメント束7つから構成されており、そのツイストピッチは10mmである。7つのフィラメント束間の常伝導マトリクスは高抵抗の銀合金になっている。また、素線ツイストの効果を明らかにするために、ツイストしていない素線のラザフォードケーブルの測定も行った。測定サンプルは短尺直線状ケーブル4本をそれぞれ絶縁して積層したものとした。このサンプルの幅広面に平行な方向と垂直な方向に変動横磁界を印加した時の交流損失の周波数特性を測定した。その結果、サンプル幅広面に垂直な方向に横磁界を印加した場合の結合損失時定数は、約14msecとなり、フィラメント束内の常伝導マトリクスが全て純銀のサンプルに比べ、約3割低減していることがわかったが、ツイストの有無による結合損失特性の変化は、印加磁界方向に依らず観測されなかった。その原因については今後詳細に検討し当日報告する。