HTS SQUIDグラジオメータを用いた異種金属接合の非破壊評価
Nondestructive Evaluation on Friction Stir Welding Between Dissimilar Metals Using HTS SQUID Gradiometer


廿日出 好,稲葉 友洋,安井 利明,椿 正巳,福本 昌宏,田中 三郎(豊橋技科大)
hatukade@eco.tut.ac.jp
Abstract:  摩擦攪拌接合は、アルミニウム合金間の接合手法として開発された、金属を固相の状態で接合する溶接方法である。現在、アルミに加え、ジュラルミンやコンポジット等、従来溶融溶接が困難であった異種金属間への適用も可能であることが明らかになっており、自動車など大型構造物などへの産業的応用が期待されている。しかし、現在行われている接合強度の検査は、接合部分を切り出しての顕微鏡による観察や引張試験などの破壊検査である。非破壊での検査はX線検査や超音波探傷などが試験されているが、試験結果の解析が困難で、いまだ研究段階である。摩擦攪拌接合の特性に関する物性値の1つとして接合部の再結晶化にともなう導電率の変化が考えられる。SQUIDを用いた非破壊検査技術には、導電性材料中の電流分布から導電率分布を高感度に検出できるという特長がある。そこで、本研究では、特性の異なる異種金属摩擦攪拌接合の導電率をSQUID非破壊検査システムにより検出して、接合特性の評価指標を得ることができるかを明らかにすることを目的とした。サンプルとして、アルミニウムA6063とステンレスSUS304の摩擦攪拌接合を用意した。サンプル作製の際、摩擦攪拌ツールの回転速度は4000rpm一定とし、移動速度を200mm/minもしくは500mm/minと変化させて、接合特性の異なる接合サンプルを作製した。HTS SQUIDグラジオメータを用いて、電流を印加したサンプル接合部の導電率分布を観察したところ、移動速度の違いから、導電率が変化することを検出できた。このことから、導電率分布と接合特性の間に相関がある可能性が示された。