磁気光学(MO)法によるMgB2多結晶体内の超伝導電流阻害因子の評価
Magneto-Optical Imaging Analysis and Evaluation of Current Blocking Mechanisms in Polycrystalline MgB2


山本 明保(東大);Anatolii A. Polyanskii,Ben J. Senkowicz,Alex Squitieri ,David C. Larbalestier(UW-Madison);岩山 功,桂 ゆかり,堀井 滋,下山 淳一,岸尾 光二(東大)
tt57140@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
Abstract:  MgB2超伝導体はその低い異方性と長い超伝導コヒーレンス長に由来して、多結晶体試料においても粒間の弱結合はないものと考えられてきたが、試料全体の輸送電流特性は単結晶等から予想される値より著しく制限されることが最近明らかになってきている。
例えば、0.1 MA/cm2以上のJcを有するスタンダードなバルク体試料においても、試料断面のうち有効な電流パスはわずか数%以下と見積もられている。多結晶MgB2の粒界に存在する不純物相や大きな空隙等が電流阻害因子と考えられており、MgB2超伝導材料のさらなる高臨界電流特性化の上でその半定量的な解析は重要である。
本研究では、異なる製法により作製し、Jc, 焼結密度、結晶性を系統的に変化させた一連のサンプルについて、磁気光学(Magneto-Optical)測定、磁化測定、輸送電流測定、微細組織観察を行い、MgB2の粒間電流を阻害する因子について調べており、その結果を報告する。