J-PARCニュートリノビームライン用超伝導電磁石システム(14)
ー実機1・2号機の冷却試験結果及び常温磁場測定結果ー

Superconducting magnet system for the J-PARC neutrino experiment(14) -Cold test results and magnetic field measurement at R.T. of production models of superconducting combined function magnets-


佐々木 憲一,中本 建志,木村 誠宏,都丸 隆行,荻津 透,安島 泰雄,東 憲男,大畠 洋克,岡村 崇弘,槙田 康博,山本 明(KEK);市原 直(三菱電機)
ken-ichi.sasaki@kek.jp
Abstract:  高エネルギー加速器研究機構(KEK)と東大宇宙線研が共同で行ってきた長基線ニュートリノ振動実験の成功を受け、東海村に建設中の大強度陽子加速器J-PARCの50GeV-750kW陽子ビームを利用した次期ニュートリノ振動実験計画が進行中である。日本原子力研究所(JAERI)とKEKが共同建設しているJ-PARCにおいて、加速された陽子ビームをターゲットへ導くビームラインには2.6Tの2極磁場と19T/mの4極磁場を同時に発生するコンバインドファンクション型超伝導電磁石が採用された。この超伝導電磁石が28台ビームラインに並べられ、超臨界ヘリウムにより5K以下に冷却される。これまでKEKでは、設計した電磁石の性能を確認するためのプロトタイプ機、及び技術移転を目的としてメーカーにより開発された実証機、クエンチ保護ヒーターの有効性を確認するためのプロトタイプ改造機について冷却励磁試験を終了、磁場性能・クエンチ保護性能ともに、問題ない事を確認した。現在三菱電機において、実際にビームラインへ設置される28台の電磁石の製造が行われている。本発表では、その実機1号機と2号機の縦型クライオスタットでの冷却励磁試験結果および常温磁場測定結果について報告する。