ポインチングベクトル法による超伝導コイルのクエンチ検出
Quench detection of superconducting coil by poyntingvector method


下馬場 聡,川越 明史,住吉 文夫(鹿児島大)
ee00031@h12.eee.kagoshima-u.ac.jp
Abstract:  核融合実験装置や超伝導電力貯蔵装置、半導体単結晶引き上げ装置などに用いる超伝導コイルの運転には、クエンチ対策のためコイルの異常監視が必要である。従来の監視装置として、バランス電圧法がよく用いられている。しかしながらこの方法は、電圧リードをコイルに直接設置するため放電事故を誘発する可能性がある。これに対し、コイルに電流リードを取り付けない非接触型のAE法が研究されているが、まだ前者と併用されており、異常監視装置としての信頼性は充分ではない。そこで我々は、ポインチングベクトル法による新しい測定方法によって超伝導コイルのクエンチを非接触で検出できることを実証したので、その結果について報告する。本測定方法は超伝導コイルを球状の金属部材で囲み、この金属部材を通過するポインチングベクトルを測定するため、電気的にかつ非接触で測定できるという特長を持つ。今回、Bi系線材を用いコイルの一部を強制的に常伝導領域にし、ポインチングベクトルの測定を行った結果、超伝導領域と常伝導領域でポインチングベクトルに差が観測された。今後、異常が発生してからの応答時間について検証し、当日報告する。