ITERポロイダル磁場コイルの冗長性の確保
Redundancy of the Poloidal Field Coils for the ITER Magnet System


吉田 清,高橋 良和(ITER-IT)
yoshida.kiyoshi56@jaea.go.jp
Abstract:  ITERポロイダル磁場(PF)コイルは、一部がトカマク装置の底に配置されるため、交換修理が極めて困難である。超伝導コイルの電気絶縁はガラスエポキシを用いているため信頼性が金属容器より劣る。コイルの致命的な故障は、ターン間絶縁不良により短絡によるアークが発生して焼損することであり、コイルは交換しなければならない。そこで、導体のターン間絶縁に金属層を挟んだ二重の絶縁層を施工して、1層目の絶縁層を監視して、短絡事故を起こらないようにする事が可能である。さらに、パンケーキに不具合が出た時点でバイパス接続して、不具合パンケーキをコイルから電気的に分離する対策が可能である。PFコイルは、最高磁界が6Tであるので、超伝導材料に加工が容易なNbTi素線が使われている。そのため、パンケーキをバイパスするための接続変更する作業を、巻線の近くで導体の曲げ加工や接続部の加工を、クライオスタット内で修理することは可能である。よって、パンケーキに絶縁不良が発生しても、短絡が発生する前に、不具合パンケーキを切り離すバイパス接続変更をして、PFコイルの運転を継続することが可能となるコイルの修理案を示す。